2017年1月31日火曜日

第13回〜ゆらぎ〜

——個を確立する。





かたくて取っつきにくさを連想させる言葉ですが、「頑な」になることではありません。





「頑な」とは、自分の体験と考えに全体重をかけて自分は動こうとせず、他者を動かそうとすることです。





自分を変えずに、他人を変える。





他者を変えようという積極的な意思がなくても、自分が変わらないのですから、他者が変わるのを待つしかありません。





当然、他者は自分の思い通りに変わりません。ですから、頑固な心は苛立ちや怒りと結びつきます。怒りは他人を萎縮させ、遠ざけます。「自力」を何倍にも高めてくれる「他力」が離れていきます。





学力は「自力」を高めます。しかし、その学力を俯瞰する学力は「他力」を高め、「他力」を引き寄せます。それは「頑な」から離れ、「ゆらぎ」を習得しているからです。





個の確立に「ゆらぎ」は欠かせません。自分と他者の間や、パブリックとプライベートの間。一見利益が相反する間隔をバランスよくゆらぎます。それはときに「譲歩」と呼ばれることもあります。





学力で自力を高める。その自力を利益が相反する他者やパブリックに還元しようとする視点が「他力」とつながります。自分の軸足を決めて、動いていく。変わらない自分と変化する自分を共存させ、二者間を小刻みに柔らかく動いている状態が「ゆらぎ」です。





その状態では「自分のため」が「相手のため」になり、「相手のため」が「自分のため」になります。「相手を都合良く利用する」ことを考える必要がないので、そこから生じる負の感情の処理にコストがかかりません。自力ばかりを高める学力に執着すると、他者やパブリックとの間でさまざまな問題を引き起こしてしまい、その対処に多大な「人生のコスト」を費やすことになってしまいます。





それは結局、学力を高める当初の目的から大きく外れてしまうことになるでしょう。






2017.1.31